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生活保護受給世帯の動向

2009.07.16 (Thu)

生活保護世帯数の推移(矢印)昨日の社会福祉学の講義で使ったグラフです。引用元は、「社会実情データ図録」の「生活保護世帯数と保護率の推移」を借りてアレンジしました。

このグラフを見て気が付くことがいくつかあります。
まず、1957年以降の日本の高度経済成長期においても、生活保護世帯数は決して減っておらず、むしろ増加している点。「もはや戦後ではない」が1956年ですから、「戦後」が終わってから、生活保護世帯が増加していると言えるでしょう。

1983年から1993年にかけて保護世帯数が減少しているのは、ちょうど第二次臨時行政調査会の行政改革から「福祉見直し」にかけての時期で、おそらく保護を必要としていた世帯が、保護されずに放棄されていた時期だと思われます。ただ、一方で経済状況としては「バブル景気」期にあり、バイトやパートでもほどほど食べていけたという条件も重なったと思います。

さて、問題は1993年以降です。増加の一途を辿ります。しかもかつてない増加率です。そこで、グラフに黄緑色の直線を加えてみたのですが、講義では「1983年からのダイエットが失敗して、見事にリバウンドして、しかも以前よりも太ってしまったような感じ」と話しましたが、まさにそのようなグラフです。1950年代後半から1980年代前半までの伸び率のまま、引っ張ってくるとちょうど2003年くらいの数値に当たります。

ここで、歴史に「もしも」「たら・れば」を持ち込み、「もしも1983年以降の締め付けがなかったら…」と仮定します。もしかしたら、今以上に保護世帯数は膨れあがっていたかもしれません。逆に、リバウンドが回避され安定増加に留まっていたかもしれません。僕は、証明することはとても難しいですが、後者のような気がします。つまり、下手なダイエットをしたので、余計に歪みが生じ、かえって状況を悪化させたというコトです。

過去に「もしも」を持ち込むのではなく、未来予想をすると、黄緑の線より下になった時期の帳尻を、2003年以降で行っていると考えるなら、この先、あと10年前後は、今のような状態が続くことになりそうです。

生活保護受給世帯が約100万世帯あるうえに、それとは別に、生活保護水準以下の暮らしをしている、ワーキングプアが約650万世帯あると言われています。人の幸or不幸は、カネだけでは計れるものではありませんが、少なくとも明日の生活への不安があるような暮らしは幸せな暮らしとは言えるモノではないと思います。このデータを見る限り、日本の経済政策における「底上げ」は、間違いなく失敗していると言えるでしょう。
17:29  |  日々の出来事  |  Comment(0)

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