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主夫とひと言でいっても本当に多様

2011.11.19 (Sat)

この季節になると、毎年、学生から卒論研究のためのインタビュー申し込みがあります。数年前は、「男の子育て」についてが多かったですし、「男の生活自立」的な内容の申し込みがあった年もありました。今年は今のところ「主夫」についてのインタビュー申し込みがあるだけです。

お決まりのパターンとしては、「他に主夫の方を知りませんか?」という一文が申し込みに入っている点です。

まぁ、率直に言うと「主夫の定義」をどう考えているのか?あるいは「主夫の範囲」をどこまで考えているか?が今ひとつ絞り切れてないみたいです。実は、ここが論文の核の一つになる部分なんですけどね。漠然と「主夫の方をしりませんか?」では、こちらも「ん~~~~~」と考えてしまいます。

「話を聞いてからまとめる」という流れも理解はできますが、事前にちょっと調べてみるだけでも、「主夫とはどういう状態か?」の範囲が多様であることに気付くと思います。

専業主夫を「賃金労働はまったくしてなく、家事に専念する男性」としても、この家事の量によっては、ずいぶん内容が違ってくると思うんです。

定年退職して日中は仕事に出掛けている妻にかわって炊事・洗濯・掃除をしているという男性を主夫とするなら「定年退職主夫」。
失業して、日中ブラブラするのもなんだから自分の事の延長に家の事もするという「失業主夫」。
仕事はゼロだけど、家事もかぎりなくゼロに近い(むしろマイナス?)「ヒモ主夫」。
本人は一生懸命家事してる(つもりな)のに、要領や効率が悪くて、彼女に「キィ~!役立たず!」と罵られること多々という「名ばかり主夫」「ヘタレ主夫」(山口照美さん命名の「ゆる夫」)。
ヒモやヘタレじゃなくて病気療養中で家事実施率低め「病気療養主夫」。

などなど、いろんな「主夫」が見えてきます。
これが兼業主夫になると、もっといろいろ見えてきます。

専業主夫の場合は、その家事量によって、いろんな主夫がみえてきたわけですが、兼業主夫になると、これに仕事の量というか収入の量によっても、いろいろ分類することができます。

基本的には、妻の被扶養者であるというイメージが「主夫」にはありますが、厳密には、被扶養者でない場合も多くあります。そもそも家計や世帯主などは、表面的にはわからないプライバシー部分によるものなので、他人が外から見て判断するわけにはいきません。

僕のように「主夫」と公言しながらも、妻の扶養からは外れてしまってる者もいます。でも、収入がかなり不安定なので、月によっては扶養家族のようなものになってる時もあります。

例えば、年収131万円(僕はもうちょっだけ多いですが(^^;)だと、年金や健康保険、扶養手当という面からみると扶養の外れた独立状態ですが、その年収では(家計規模にもよりますが)実質的には妻の収入に依存せざるを得ないでしょう。制度的には独立していますが、実質的には扶養されているようなものです。この状態で家事の主たる担当者である男性は「主夫」になるのか?「独立ギリギリ主夫」とでも言いましょうか?

かと思えば、妻が入退院を繰り返していて、家事も子育ても夫がしている。その夫は会社の社長!(まさに佐々木常夫さんのような方ですが)というような「大車輪主夫」も存在します。

「仮に家事実践率100%であっても、会社社長だと主夫とは言えない」と言われそうですが、個人経営の場合でも法人化していると会社社長になります。「社長一人、全従業員一人」の場合もあります。社長だからといって収入が多いというわけでもありません。同じ程度の家事をしていたも、その会社の規模や給与によって主夫になったり主夫にならなかったりする可能性も否定できません。個人経営の会社でイマイチ収益が…妻の収入が家計の大黒柱!という「社長だけど実質主夫」。

実質的には「主夫」と同じなのに、伴侶がいないだけで主夫から外れる「シングルファーザー」もいます。
仮に、妻が単身赴任中という夫の場合は、彼の収入の多少を問わず主夫活動も不可避です。子どもがいなければ単なる「一人暮らし」になりますが、子どもが夫と同居してる場合は「ほぼシングルファーザー主夫(この表現は語弊がある!なんか他の言い方は無いものか)」「大車輪主夫ただし妻抜き」。

なんだかもうゴチャゴチャになってきました。加奈子も寝たので、一人で最後のビールを一缶プシュッとあけたら、さらに混沌としてきました。もっといろんな主夫をイメージできていた気がするんですが、今日のところはこのへんで。

とにかく、卒論を機会に、「主夫」に接することになった学生さん達。まずは話を聞いてから!ではなく、事前にどれだけ学習してからインタビューにくるかで、インタビューの内容は大きく変わってきます。薄っぺらいインタビューにうんざりして「もう学生インタビューは受けない」となった主夫もいます。僕は、教師という立場もあるので、人材育成という視点からも学生のインタビューは基本的に断りません。でも、レビューを送ってこない学生がいたり、ホンマに事前学習の足りないインタビューを受けると、「おいおい担当教員ちゃんと指導せんかい!」と思います。

深いインタビューにする一つのポイントは、なぜ自分はこのテーマに興味をもつようになったのか?を掘り下げることです。「珍しいから」「おもしろそうだから」では、十分な研究テーマにはなりません。星の数ほどある研究対象の中で、なぜ「主夫」なんてものに興味をもったのか?いつから?なにがきっかけで?「主夫」からなにを探りたいのか?なにを知りたいから「主夫」の話を聞くのか?

これらは、つまるところ、自分を振り返ることに戻っていくのです。だから卒論は書いたほうがイイのです。

それと、台本ありきで「これを言ってくれたらまとめやすい」「こういう内容をまとめて喋って欲しい」というインタビューにはギャラが発生することも承知してほしいところです。
23:09  |  男の家事  |  Comment(0)
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